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SIer・SEのキャリアアップと転職先の考察

2019年11月21日修正

 

こんにちは、株式会社アサイン取締役、奥井亮です。

 

ビジネスとデジタルが融合し一体化している昨今では、SIer出身の人材、SEは転職市場でも非常に需要が高まっています。

しかし、不用意な転職は、結局やることが変わらなかったり、やりたいことに注力できない環境だったりとリスクをはらんでいるので注意が必要です。

今回、SIerからのキャリアアップや転職先について考察しましたので、転職を考えている方の参考になれば幸いです。

 

 

 

 

SIerからの転職先を探す前に確認するべき4つの事項

自分のSIer業界における立ち位置を把握しているか?

SE(システムエンジニア)といっても、その業務分野によって、また所属している会社が業界の中でどのような立ち位置なのかによって、取りうる選択肢は大きく変わってきます。

まずは、業務分野、そして企業のポジションの2つの切り口で、自分のSIer業界における立ち位置を把握することが、転職先を探す前にまずやることです。

 

まずは、自分の業務分野を確認してみてください。

SEは、大きくアプリ、インフラに分けられ、それぞれ工程と種類(言語)で細かく分かれる

自分がどの分野にいるかを確認

図のように、大きくアプリエンジニアとインフラエンジニアに分かれます。その中で、どの工程の経験があるのかを確認してください。

特に、上流SIerやコンサルティングファームへの転職には、プロジェクトマネジメント経験があると有利です。

 

次に業界の中での位置づけも確認します。

SIer業界の企業群は、日立や富士通などのプライムベンダー、それに次ぐサブプライムベンダー、その他のベンダーと分けられる。

SIer業界概観

上に行けば行くほど、案件も上流のものが多くなっていきます。

ここで重要なのは、ピラミッドにおいて、基本的には同じ段か、ひとつ上の段への転職になる(段を飛ばしての転職は難しい)ということです。例えば、プライムベンダーからは、IT系/総合系コンサルティングファームを狙いやすいですが、サブプライムベンダーからは中々難しいです。サブプライムベンダーからコンサルにいくには、まずはプライムベンダーへ転職し、上流ITの経験を積んだのちに、再度転職で狙うのが良いかと思います。

ちなみに、サブプライムベンダーとは私の造語ですが、おおよそ業界6位~30位くらいまでの企業を想定しています。 

 

SIerからのキャリアアップのパターンをイメージできているか?

SIerの経験を活かした転職先は、大きく3パターンがあります。このどれを選ぶかによって、その後に歩むキャリアは大きく変わってきます。

以下に簡単にまとめましたのでご覧ください。

 

Sierの転職の選択肢として、大きく、上流SIer、事業会社、コンサルティングファームの3つがあります。

SIerからの転職先・キャリアパスの概観

それぞれについては、後程詳しくご紹介します。

 

SIerから転職をするべきか? -SIerならではの3つの悩み-

SIerからの転職の場合も、一般的な転職の理由として挙げられる、労働に対する年収の低さや、裁量権に対する不満といった理由はもちろんあります。

しかしそれ以上に相談が多いのが、以下のようなSIerならではの転職理由です。

  1. ソリューションドリブンが合わなかった
    -同じソリューションばかり扱うため技術を広げられない
    -クライアントのために働くことは好きだが、もっと課題ドリブンで仕事がしたい
  2. 昇進しても業務内容の変化が小さい
  3. ビジネスや事業にもっと関わりたい

 

まず、1.について、ソリューションドリブンというのは、ソリューション中心で仕事をすすめる、という意味です。

企業がSIerに仕事を頼むときには以下のような流れが一般的です。

  • クライアントのCIOかコンサルタントがシステム導入を検討し、RFPを作成
  • SIerがソリューションを売り込む、場合によってはコンペ
  • 特定のSIerが案件を獲得。SIer自身で導入するか、別SIerに下請け

もちろん、”企業の課題を見つけて提案”というパターンもありますが、その場合もソリューションありきでの提案ですので、ソリューションドリブンであることが多いです。

 

次に2.について説明します。これも、ソリューションドリブンが大きく影響しています。

まず、二次請けSIerの場合には、昇進をしても現場でプログラマーとして手を動かし続けることが珍しくありません。

また、上流SIerであっても、昇進すればIT戦略や業務要件定義に関われるというわけではなく、PM(プロジェクトマネージャー)の割合が高まっていく、ということが多いようです。つまり、上流SIerであってもIT最上流に関われることは珍しく、良くも悪くも同じような業務に従事していくことになります。

 

最後の3.については、入社前と入社後のギャップによるところが大きいと私は考えます。

つまり、入社前には、“テクノロジーを使って面白いことができる!”と思っていたが、実際に入社するとERPの導入やCRMのリプレイス案件が多く、あまり面白さを感じられない、というパターンです。特に新卒の場合、しっかり会社のことを調べて就活する方はそう多くはいないので、IT業界に関わらず起こっていることかもしれません。

 

上に挙げた理由はどれもよく相談を受ける内容です。
もちろん「SIerの仕事がダメだ」というわけではなく、あくまで価値観の問題です。

 

このような悩みがある方は、転職によるキャリアアップを考えても良いかもしれません。

 

SIerからの転職タイミングは適切か? -30歳前後が適切-

SIerから転職するタイミングとしては、およそ5年目と10年目が一つの目安です。

私が支援する方も、一番多い年齢層が30代前半、次いで20代後半です。

 

5年目は、1つの技術が習熟する時期です。つまり、導入~テストまでを一通り経験し、ITに対する理解も深い人材として、市場価値が高まった状態です。

例えばコンサル業界への転職でしたら、アソシエイトやコンサルタントの職位での転職が可能です。誤解がないようにお伝えしますが、技術者としての価値が高い=転職先でも必ず技術者、というわけではなく、IT上流やビジネスサイドへのキャリアアップも視野に入ります。

 

10年目は、PMとしてプロジェクト管理をいくつか経験している時期です。PM経験は転職において非常に有利です。例えばコンサル業界への転職でしたら、シニアコンサルタントも狙えるでしょう。

 

SIerからの転職先として挙げられる業界・企業

さて、もう一度、SIerからのキャリアパターンを見てみます。それぞれについて、もう少し詳しく説明させてください。

Sierの転職の選択肢として、大きく、上流SIer、事業会社、コンサルティングファームの3つがあります。

SIerからの転職先・キャリアパスの概観

上流SIerへの転職

一つは、同業他社であるSIerへの転職です。ここでは上流SIer、つまりプライムベンダーへの転職について解説します。

結論から言うと、上の「SIerから転職をするべきか? -SIerならではの3つの悩み-」で挙げた転職理由のどれかにあてはまるのであれば、原則おすすめはしません。

上流SIerに転職したからといって、それらの問題は解決されないためです。繰り返しになりますが、上流SIerに転職したからといって、IT最上流であるシステム企画に必ずしも関われるというわけではありません。

逆に、今の業務内容が好きだが、社風が合わない、などであれば有力な選択肢になるかと思います。

 

■上流SIerの転職先例

  • 富士通
  • 日本IBM
  • NTTデータ
  • 日立製作所 など

事業会社への転職

事業会社への転職をした場合、IT企業の場合にはプロダクトを改善していくプロダクトディレクター(プロダクトマネージャー)という役職や、外注先のIT企業との調整役をするプロジェクトマネージャーという役職などがあります。

また、IT企業でない場合には、社内システムを保守運用する社内SEが主な職種です。

 

■事業会社の転職先例

  • DeNA
  • リクルートテクノロジーズ
  • 楽天
  • ヤフー など

 

コンサルティングファームへの転職

既にプライムベンダーにいながら、ビジネスサイドに興味がある、という場合にはコンサルティングファームが有力な選択肢になると思います。いわゆるITコンサルタントになる、という道です。

 

一口にITコンサルタントといっても、SIerからのキャリアパスとしては、特定の分野に精通したITのスペシャリストであるエキスパートへの道、上流SIerのさらに上流を扱うIT最上流への道、そして、最先端技術を用いたビジネス開発や改善を担うデジタルへの道の3つがあります。 

 

SIerからコンサルへの道は「エキスパート」「IT上流」「デジタル」の3つがある

SIerからコンサルファームへのキャリアパス概観

 

■コンサルティングファームの転職先例

  • BCG
  • Deloitte
  • PwC
  • アクセンチュア
  • ベイカレント・コンサルティング
  • EY
  • KPMG

 

 

起業・フリーランスへの道

最近では、起業やフリーランスという道も拓けてきましたので、それについても簡単に説明させてください。

 

起業やフリーランスでまず大切なことは、生計が立てられるか(稼げるか)です。

典型的な失敗パターンは、単発の開発を請け続けるスタイルです。この場合、いま請けている開発が終われば仕事がなくなるため、開発をしながらも、次の案件獲得に動かなければいけません。気が付いたら、自転車操業になっていることもよくあります。

その一方で、成功パターンとしては、継続的な仕事を受注する、つまり保守運用まで受注し、ストック型の収益基盤を作るスタイルです。この場合には、保守運用で安定した収益を得られますし、トラブルがない限り自分で労働量をコントロールしやすいでしょう。ただし、保守運用だけの仕事は少なく、要件定義などの上流から受注し、開発、運用まで一貫して請ける必要がありますので、幅広い知識・経験が必要です。

 

ざっくりと説明させていただきましたが、ネット上にも詳しい情報が沢山ありますので、ご興味のある方は調べていただければと思います。

 

さて、記事はこれで終わりですが、少しでも参考になっていれば幸いです。 

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